「手、つなごうか?」
「うん」
お互いのぬくもりを感じながら、楽しい会話をしながらの駐車場までの散歩はあっという間だった。
車に乗った。
また手をつないで、話の続きをしていた。
「そろそろ帰ろうか。」
「・・・・・」
そう俺が言った言葉に対して、みはるは黙ってうつむいてしまった。
そんなみはるを見て俺は・・・
そのままつないでいたみはるの手を引き寄せ、肩を抱いた。
無言のままみはるの頬に手を当てた。
うつむいていたみはるは、ゆっくりと顔を上げてきた。
そのまま俺たちは車の中で唇を重ねた。
唇を離して初めて見つめ合った。
そのアイコンタクトで、もう言葉は要らなかった。
俺は車を走り出させ、また手をつないだ。
食事中、話しをしていたのとは対称的に車の中は沈黙が続いた。
しかしそのときの二人は、つないだ手でお互いを感じ取っていた。
車は帰る方向と逆のほうへ走り出した。
そう、二人っきりになれる場所へ向って、走り出していた。
みはるは黙って、俺の手を強く握り締めていた。
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